FRPタンク点検(劣化診断)
耐食FRPは、仕様や運転条件によりその劣化の進度が様々であるため、耐用年数や、具体的な交換・補修時期が定められていないのが現状です。
また、その劣化の程度は一般の方には判断がつきません。
薬品タンクの漏洩、破損事故等を未然に防ぐため、経験と知識のあるFRP耐食タンク製造メーカーに点検を依頼してください。
FRPタンク点検(劣化診断)の流れ
FRP製耐食機器の寿命は、材料選定に始まり、製作方法、使用条件、操作条件により異なります。
ご依頼・お問い合わせ
検査
- 1)内面、外面を目視検査
※JIS K7012ガラス繊維強化プラスチック製耐食貯槽
FRPS 強化プラスチック製耐食機器に関する性能検査指針に基づく
- 割れ(クラック)、ひび割れ
- 剥離
- 変色・脱色
- ふくれ(ブリスター)
- 損耗
- 白化
- 膨潤
- 溶出
- 変形
- 接合部剥離
- ピンホール、ピット
- 2)板厚検査
- 製作時の検査記録があれば、ご提示願います。
- 3)硬度検査
- 1と2で劣化や損傷が見受けられた場合に行います。
※必要に応じ、母体切り出しによる強度検査も行います。
点検結果報告書を提出
各項目ごとに等級を判定し、見解を報告します。
※「点検結果報告書」の図、点検結果報告書の例(PDF)をご参照ください。
点検結果報告書
補修、交換のご検討
点検の結果、劣化が認められた場合には当然、交換、全面補修を推奨いたしますが、使用上危険を伴わない場合には、表面の劣化部分や、何らかの原因で損傷を受けた箇所のみを定修時に補修し、継続して使用されているケースもあります。
FRPタンクを長く、安全に使用していく為に、点検を行った上で、メンテナンス計画を立てられることをおすすめいたします。
劣化診断の例
内面点検結果例 1ノズル付け根の腐食
部分的に薬品の浸透、樹脂の溶出が進行し、ガラス繊維が露出しています。薬品の漏れの危険があります。要補修の段階です。
内面点検結果例 2接合部の剥離
本体の側面と底板の接合部が劣化し剥離をおこしています。接合部をオーバーレイして必要な強度を復活させる必要があります。
外面点検結果例 1タンク外面の損耗
長年に渡る屋外使用のため、紫外線や雨風の影響で、外面の劣化、損耗がすすんでいます。内面からもしっかりと点検の上、強度に問題がなければ、外面トップコート補修をおすすめします。
外面点検結果例 2内面腐食
白い部分は、内面が薬品で腐食している箇所です。外面からもこれだけ分かるのはかなり危険な状態です。内面からも点検し早急な対策が必要です。
「地震の時、タンクが倒れる危険は無いのか」とご不安な方は多いようです。ご希望の方にはアンカー計算結果を報告します【無料】
タンクの劣化診断の際に、設置されているタンクのアンカーボルトのサイズと本数が、お客様が求める耐震レベルに対し十分かどうかを計算します。
地震の際の倒れ(引き抜き荷重応力)、横ずれ(せん断応力)を検討し報告します。現在の劣化診断の費用内で行いますのでぜひご利用ください。
点検可能な機器かどうか、まずはお問い合わせ下さい。
基本的に、液抜、洗浄済みの状態で、タンクの内面、外面を目視検査出来る状態で、検査を行えるようにお願いいたしております。